認知症の方にも届くセラピーのぬくもり
私がビューティタッチセラピストの資格を取得したのはコロナ前。「さあ活動を始めよう!」と思った矢先に感染が広がり、長らく動けずにいました。5類に移行してからも施設訪問は難しく、模索する日々が続きました。
そんな中、2年ほど前にセラピスト仲間とコミュニティを立ち上げ、イベントでの周知活動を行いながら、介護職の友人に「美容の力が介護の現場でも役立つこと」を伝えてきました。すると1年ほど経った頃、その友人から「介護美容を取り入れたい」と連絡があり、打ち合わせと体験会を経て、現在は週1回、施設で介護美容の時間を持たせていただいています。
導入前、施設の方からは「認知症の方が多く、施術中に手を出されたりするかもしれない」と、セラピストの安全を心配する声もありました。しかし実際には、むしろ見るからに表情が和らいでいたり、言葉が出ないという方でも涙していただいたり、フットケアの場合でも浮腫が改善されていたり、スタッフの方からもフットケアの必要性を改めて実感していただきました。さらに「普段笑わない方も笑うことが増え、外部から来てもらうことで刺激になります」とのお言葉もいただき、大きなやりがいを感じています。
最近では、高齢の男性から「本当に手とクリームだけ?びっくりするほど気持ちいいね」と嬉しい声も。今後はネイルケアやメディカルアロマの学びも活かし、さらに介護美容の良さを広めていきたいと思います。