若い世代へ届けたい介護美容の魅力
20年以上介護の仕事に携わる中で、数年前に精神的な疾患を患い、自身が「触れられる力」で元気を取り戻した経験から、「触れられる力・触れる力」の大きさを改めて実感しました。誰かの支えになりたい、笑顔で生活するお手伝いがしたいという思いから、ビューティタッチセラピストの講座を受講しました。
現在は施設のケアマネジャーをしながら、施設内イベントで介護美容ブースを設け、お化粧やセラピーを提供しています。また地域の社会福祉協議会から依頼を受け、幼児から80代まで三世代が集う行事でアロマオイルを使ったハンドトリートメントやサシェ作りを実施。参加された方から「うちのサロンでもやってほしい」と依頼をいただき、「心と体の美容療法」の場がさらに広がりました。
お化粧をした発語のない利用者様が、鏡を見ながら口角を上げ、唇を重ねて「パッパッ」と口紅をなじませる姿に、言葉がなくても笑顔で伝わる温かさを感じます。介護の現場では、病気の後遺症で話すことも動くことも難しい方が多くいますが、声や手のぬくもりは確かに届いていると信じています。
地域での活動では、触れる力の変化やアロマの効果、小物作りを通して参加者が笑顔になり、楽しそうに帰られる姿が印象的でした。
今後は、自身の母校でビューティタッチセラピーを通じて、若い世代に介護の楽しさを伝えていきたいと考えています。