酒井 宗政
全ての美容は「触れる(タッチ)」という肌と肌のコミュニケーションを通して行なわれます。当協会では、「セラピストの手で高齢者にやさしく触れ(タッチ)ながらキレイ(ビューティ)にしていくこと」で、免疫力を高め、高齢者のQOL(生活の質)向上を目指しています。
私共は1990年代から、本格的に化粧療法の研究に取り組み、化粧をすることで、笑顔が生まれたり、積極性や自発性を生み出したり、リハビリ効果等が期待できることを、様々な体験や研究の中から導き出しました。
例えば、スキンケアを定期的に行なっている要介護高齢者は、行なっていない人よりも日常生活動作や社会生活が良好であるということがわかっています。またメーキャップについても同様の事が言えますが、特に日常生活における活動性が高いという結果が得られています。
高齢になっても「キレイになりたいという気持ち」を持ち続けることが認知症の症状が現れるのを遅らせて、老いてもその人らしく生きることを支援できます。そこで、医療や介護だけでは改善しにくい「心」の領域をサポートする有効な手段として、ビューティタッチセラピーという美容療法を提案致します。
東北大震災応援「心人」プロジェクトとして、何千人にも及ぶ方たちへのハンドセラピーを核としたボランティア活動をとおして、「触れること」が老若男女を問わず、いかに心の支えになるかということも深く感じております。この活動が、この度の日本介護美容セラピスト協会立ち上げの礎になったことも重ねてご報告させて頂きます。